ストレージ クラス

このページでは、ストレージ クラスのコンセプトとストレージ クラス間の違いについて説明します。

主なコンセプト

  • ストレージ クラスは、すべてのオブジェクトで使用されるメタデータです。

  • オブジェクトに設定するストレージ クラスは、オブジェクトの可用性と料金モデルに影響します。

  • バケットを作成するときに、バケットのデフォルトのストレージ クラスを指定できます。オブジェクトをバケットに追加すると、明示的に設定しない限り、このストレージ クラスが継承されます。

    • バケットを作成するときにデフォルトのストレージ クラスを指定しない場合、そのバケットのデフォルトのストレージ クラスは Standard ストレージに設定されます。

    • バケットのデフォルト ストレージ クラスの変更は、バケットにすでに存在しているオブジェクトには影響しません。

  • 既存のオブジェクトのストレージ クラスは、オブジェクトを書き換えるか、オブジェクトのライフサイクル管理を使用して変更できます。

  • バケットで Autoclass 機能を有効にすると、Cloud Storage が自動的にストレージ クラスの移行を管理できます。

使用可能なストレージ クラス

次の表に、Cloud Storage で提供されるプライマリ ストレージ クラスの概要を示します。

ストレージ クラス API と CLI の名前 最小保存期間 検索料金 一般的な月間可用性
Standard Storage STANDARD なし なし 99.99%
Nearline Storage NEARLINE 30 日 あり 99.9%
Coldline Storage COLDLINE 90 日 あり 99.9%
Archive Storage ARCHIVE 365 日 あり 99.9%

クラスの説明

すべてのストレージ クラスに、次のような特徴があります。

  • 無制限ストレージに無制限のアクセス。
  • 最小オブジェクト サイズはない。
  • オフライン データの取得がなく、低レイテンシ。
  • 高い耐久性(99.999999999% の年間耐久性)。
  • Cloud Storage の機能、セキュリティ、ツール、API による一貫したエクスペリエンス。

Standard Storage

Standard Storage は、頻繁にアクセスされるデータ(ホットデータ)や、短時間だけ保存されるデータに最適です。

Standard Storage は、Google Kubernetes Engine クラスタまたは Compute Engine インスタンスで使用するデータを保存するために適しています。

Nearline Storage

Nearline ストレージは、頻繁にアクセスされるデータを保存するための低コストで耐久性に優れたストレージ サービスです。若干低い可用性、30 日間の最小保存期間、データアクセス費用をトレードオフとして許容する代わりに、保存時のストレージ コストを抑えるメリットを享受する場合には、Standard Storage よりも Nearline Storage の方が適した選択肢となります。

Nearline ストレージは、読み取りまたは変更を月に 1 回程度しか行わないデータに適しています。たとえば、Cloud Storage にファイルを継続的に追加し、これらのファイルを月に 1 回分析で使用する場合には、Nearline ストレージが最適な選択肢です。

また、Nearline ストレージは、データのバックアップ、ロングテールのマルチメディア コンテンツ、データ アーカイブにも適しています。ただし、保存されたデータに四半期に 1 回程度しかアクセスしない場合、Coldline Storage または Archive Storage が最もコスト効率のよい選択肢となります。このクラスは、ストレージ費用がより安くなります。

Coldline Storage

Coldline ストレージは、アクセス頻度の低いデータの保存に適した、極めて低コストで、耐久性の高いストレージ サービスです。可用性が低めで、最小保存期間が 90 日で、データアクセスの費用が高くても保存データのストレージ費用を抑えたい場合には、Standard Storage や Nearline Storage よりも Coldline Storage の方がより良い選択肢となります。

Coldline ストレージは、四半期に 1 回程度しか読み取りや変更を行わないデータに適しています。ただし、バックアップやアーカイブ プロセス用にデータを完全に保持する場合、Archive Storage のほうがストレージ費用が最も安くなるため、最もコスト効率の良い選択肢となります。

Archive Storage

Archive ストレージは、データ アーカイブ、オンライン バックアップ、障害復旧のための最も低コストで、耐久性に優れたストレージ サービスです。他のクラウド プロバイダによって提供されている「最もコールドな」ストレージ サービスと異なり、データに迅速にアクセスできます。必要なデータの取得に数時間あるいは数日かかることはありません。

Nearline ストレージや Coldline ストレージと同様、Archive ストレージも Standard ストレージよりも可用性がやや低くなります。また、Archive ストレージはデータアクセスと操作に関する費用が高く、365 日間という最小保存期間もあります。Archive ストレージは、1 年間に 1 回未満しかアクセスしないデータに最適です。例:

  • コールドデータ ストレージ - 法的または規制上の理由で保存されているデータなど、アーカイブされたデータを Archive ストレージとして低コストで保存でき、必要な場合は使用できます。

  • 障害復旧 - 障害復旧イベントでは、復旧にかかる時間が重要です。Cloud Storage では、Archive Storage として保存されているデータに低レイテンシでアクセスできます。