仮想 Linux ワークステーションを作成する

このチュートリアルでは、仮想ディスプレイを使用して Ubuntu 22.04 を実行する仮想 Linux ワークステーションの作成方法について説明します。仮想ディスプレイ デバイスは、仮想マシン(VM)インスタンス上のアプリケーションで表示デバイスが必要であるものの、GPU のすべての機能は使わないため、全額課金は避けたい場合に便利です。

Windows を含む他のタイプの仮想ワークステーションについては、仮想ワークステーションの作成についてをご覧ください。

仮想ワークステーションを作成した後、PC-over-IP(PCoIP®)テクノロジーを使用して HP Anyware(旧 Teradici CAS)でリモート アクセスする方法について学びます。PCoIP は、メディア、エンターテイメント、ゲーム開発、アーキテクチャ、エンジニアリング業界で広く使用されているリモート デスクトップ プロトコルです。PCoIP は、これらの業界でのワークロードに不可欠な機能(色精度、複数モニターのサポート、ロスレス ディスプレイ、タブレットの圧力感度など)を提供します。

このチュートリアルは、Linux コマンドラインに精通していることを前提としています。

アーキテクチャ

次の図は、このチュートリアルで単一の仮想ワークステーションをデプロイするためのコンポーネントを示しています。図に示すオプションのコンポーネントには、仮想ワークステーションに接続するさまざまな方法、共有ストレージ、サードパーティ ライセンスを提供するための追加の VM、レンダリングまたはコンピューティング ファームを表す追加のインフラストラクチャが含まれています。

仮想ワークステーション インフラストラクチャのアーキテクチャ。

リージョンを選択

仮想ワークステーションをデプロイする際に重要になるのは、デベロッパーのロケーションと作成された VM との間のレイテンシです。レイテンシが短いほど、より良いエクスペリエンスが得られます。したがって、地理的に最も近いリージョンとゾーンに VM を配置することをおすすめします。

仮想ワークステーションを作成する

Cloud Shell で、Compute Engine 仮想ワークステーション インスタンスを作成します。

gcloud compute instances create VM_NAME \
    --zone=ZONE \
    --machine-type=e2-standard-4 \
    --enable-display-device \
    --image-project=ubuntu-os-cloud \
    --image-family=ubuntu-2204-lts \
    --boot-disk-size=20 \
    --boot-disk-type=pd-balanced \
    --network=default

次のように置き換えます。

  • VM_NAME: VM インスタンスの名前。
  • ZONE: 地理的に最も近いゾーン。仮想ワークステーションをデプロイする際に重要になるのは、デベロッパーのロケーションと作成された VM との間のレイテンシです。レイテンシが短いほど、より良いエクスペリエンスが得られます。ゾーンの地理的場所については、利用可能なリージョンとゾーンをご覧ください。

仮想ワークステーションが作成されると、VM のステータスが表示されます。出力は次のようになります。

NAME: test-workstation
ZONE: us-west1-b
MACHINE_TYPE: e2-standard-4
PREEMPTIBLE:
INTERNAL_IP: 10.138.XX.XXX
EXTERNAL_IP: XX.XXX.XXX.XXX
STATUS: RUNNING

外部 IP アドレスをメモします。このチュートリアルの後半で必要になります。

仮想ワークステーションにログインする

仮想ワークステーションの作成が終わったら、マシンにログインして構成できます。

  1. 次のコマンドを使用して仮想ワークステーションに接続します。

    gcloud compute ssh VM_NAME
  2. アカウントのパスワードを設定します。PCoIP ソフトウェア クライアントを使用して仮想ワークステーションにログインするには、ユーザー パスワードが必要です。

    sudo passwd `whoami`

    プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。チュートリアルの後半で、このパスワードを使用して HP Anyware PCoIP クライアントから仮想ワークステーションにログインします。

デスクトップ環境をインストールする

Cloud de Confiance のデフォルトの Ubuntu 22.04 イメージは、Ubuntu の最小インストールです。デスクトップ環境をインストールして、仮想ワークステーションをグラフィカル ワークステーションとして実行します。このチュートリアルでは、KDE Plasma Desktop をインストールします。

  1. 次のコマンドを実行して、ソフトウェア リポジトリを更新します。

    sudo apt update
    
  2. デスクトップ環境をインストールします。

    sudo apt -y install kubuntu-desktop
    
  3. ワークステーションを再起動します。

    sudo reboot

仮想ワークステーションへの接続が閉じられます。

HP Anyware ソフトウェアをインストールする

HP Anyware ソフトウェアは、仮想ワークステーション上で動作するエージェントを提供し、ハードウェアまたはソフトウェア クライアントにデスクトップを提供します。

  1. 仮想ワークステーションが再起動したら、Cloud Shell で仮想ワークステーションに再接続します。

    gcloud compute ssh VM_NAME
  2. Teradici ソフトウェア リポジトリを追加します。

    curl -1sLf \
      https://dl.anyware.hp.com/TOKEN/pcoip-agent/cfg/setup/bash.deb.sh \
      | sudo -E distro=ubuntu codename=jammy bash
    

    次のように置き換えます。

  3. ソフトウェア リポジトリを更新します。

    sudo apt update
  4. 省略可: キーボード、マウス、ポインタ デバイス以外の USB デバイスをサポートする必要がある場合は、USB 依存関係をインストールします。

    sudo apt -y install usb-vhci-dkms
  5. HP Anyware ソフトウェアをインストールします。

    sudo apt -y install pcoip-agent-standard

Anyware Standard エージェントを登録する

Anyware Standard エージェントを使用するには、HP Anyware ライセンスが必要です。

  1. Cloud Shell で、HP Anyware ソフトウェア ライセンスを有効化します。

    pcoip-register-host --registration-code=REGISTRATION-CODE

    REGISTRATION-CODE は、HP Teradici から入手した ABCDEFGHIJKL@0123-4567-89AB-CDEF 形式のコードに置き換えます。

  2. 仮想ワークステーションを再起動します。

    sudo reboot

ファイアウォール ルールの作成

PCoIP クライアントは、複数のポートを使用して仮想ワークステーションと通信します。仮想ワークステーションへのトラフィックを許可するようにファイアウォール ルールを設定する必要があります。

  • Cloud Shell(仮想ワークステーションではありません)で、必要なポートを開くファイアウォール ルールを作成します。

    gcloud compute firewall-rules create allow-pcoip \
        --action=ALLOW \
        --rules=tcp:443,tcp:4172,udp:4172 \
        --source-ranges=0.0.0.0/0
    

PCoIP クライアントを使用して仮想ワークステーションにログインする

  1. ローカルのパソコンで、HP Anyware サポートページの「PCoIP Clients」セクションに移動します。使用中のオペレーティング システムに対応する PCoIP Software Client アプリケーションをダウンロードしてインストールし、起動します。

  2. [Host Address] または [Registration Code] フィールドに、仮想ワークステーションの外部 IP アドレスを入力します。必要に応じて、接続の名前を入力できます。

  3. 接続されたら、仮想ワークステーション用に作成したユーザー名とパスワードを入力して認証します。

    数秒後に Linux のデスクトップが表示されます。

仮想ワークステーションをテストする

仮想ワークステーションをデプロイした後、さまざまなツールを使用してパフォーマンスとインタラクティビティをテストできます。

  • Google Chrome を使用してお気に入りのサイトを閲覧したり、YouTube 動画を再生したりします。
  • Linux 用 PCoIP Standard Agent の詳細を確認する。
  • アプリケーションをインストールして、動作やパフォーマンスをテストします。

ワークロードに基づく PCoIP パフォーマンスの最適化の詳細を確認することもできます。